名著。アドラー心理学は劇薬かもしれない。この本を読んで大幅に人生を変えることができるだろう。けれども、すぐに人生を変える事は難しいだろう。それくらいボリュームがあり、かつ内容が重厚だ。
現代は何でも「ラクに」や「お手軽に」、「すぐに変われる」といった本がよく売れている。けれども本当に人生を大きく、そしてより良いものにしたいならば、「アドラー心理学」を読んでみるのがオススメだ。
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嫌われる勇気
われわれは過去の経験に「どのような意味を与えるか」によって、自らの生を決定している。人生とは誰かに与えられるものではなく、自ら選択するものであり、自分がどう生きるかを選ぶのは自分なのです。(p.30 トラウマについて より)
自分がどう生きるのか選ぶのは、「今の自分」なのた。誰かに命令されて生きるのでもない。かといって、過去の自分が、将来を決めるわけでもない。つまり人は、今から変わることができる。それはあなたも同じだということを伝えたい。
誰が読むべきか
この本はおそらく、「読書初心者」の方には難しい内容だ。ある程度の本を読み、読解力と集中力を要する。ただ、本当に考えさせられる本だ。自分の常識や思想を根底から覆させられることが多い。
僕は以下のような方に、ぜひ一読してもらいたいと感じる。
- 人生を変えたい
- もっと自由に生きたい
- 好きなことして生きていきたい
- これからをどう生きていけばいいか分からない
別に読まなくてもいい。けれども、人生を変えていくには行動することが必要だ。でも、頭では行動しようと思っていても、実際には言い訳をして行動しない人が多い。もったいない。この本は難しい。いや、内容を受け入れられないという人もいるだろう。僕も初めはそうだった。けれどもそうやって、自分の受け付けないことを拒絶し続けていたら、人生は好転しないだろう。
「こんな考え方もあるのか。」「それも一理あるな」くらいのスタンスで読んでいけばいいと思う。「何も人生を変えてやる!」と息巻いて、肩ひじ張って読むものでもない。
まずは、「へえ、そうなんだ」から始めよう。そうすればいつの日か、「ああ、これはそういう意味だったのか」と気づく日が来るかもしれない。そんな感じで読んでみてほしい。むしろ、そのくらいのスタンスの方が、意外と内容を自分のモノにできたりする。
人は変われる
人はいつでもどんな環境に置かれていても変われます。あなたが変われないでいるのは、自らに対して「変わらない」という決心を下しているからなのです。(p.51 第一夜 ライフスタイルについて より)
つまり人は、いろいろと今に不満があったとしても現状維持でいることの方が楽であり、安心だからこそ変われないんだと考えさせられた。あなたが変われないのは、「過去や環境のせい」ではない。ましてや能力が足りないからでもない。ただ「勇気が足りないだけ」だったというのは、驚きでもあり、腑に落ちるところもあった。
あなたには「幸せになる勇気」が足りていない。幸せになる勇気。なんだそれはという感じですね。幸せになるなら、勇気なんて振り絞らなくても進んでできそう。そう感じますが、実際には違うのだと気づかされました。
あなたが変わるためにのに1番最初にやるべきこと。それは「現状維持をやめる」という決心をすること。現状維持を選んでしまう人間の心理はとても強力なんだと再認識させられた。どうしてこんなに我々人間は、現状維持を選んでしまうのだろうか。
我々の祖先からのDNAなのだろうか。そんなもののせいにして、現状維持を選び続けてしまっているのならとても愚かしい。いつだって、自分の人生を決めるのは、今という自分だ。そんな意識を常に持ちたい。そうして、考え続けたい。自分の人生にとって「何を選ぶことが最善なのか」と。
自分の人生を決めるのは、「今のあなた」。これまでの人生に何があったとしても、今後の人生をどう生きるかについて何の影響もないのだ。
全ての悩みは対人関係
短所ばかりが目についてしまうのは、あなたが「自分を好きにならないでおこう」と決心しているからです。自分を好きにならないという目的を達成するために、長所を見ないで短所だけに注目している。(p.63 自分の短所について より)
どうしてこんな発想になってしまうのだろう。その答えは、本書の中にあった。それは「あなたが他者から嫌われ、対人関係の中で傷つくことを過剰に恐れているから」とのこと。
ハッとさせられた。自分の悪いところに目を向けることによって、他者に嫌われてもそのせいにする。そうして、自分を守っているのだと初めて知った。なんだその醜い考えは。こんなことを無意識で僕はやっていたのかと衝撃だった。
確かに、誰も人から嫌われたいと思う人はいないだろう。僕もそうだ。でも、全員に好かれることなんてまず不可能だ。そう、八方美人が誰からも深く好かれないように。好かれたいなら、嫌われる勇気を持つ。なんだかとても矛盾しているようだが、そんなことを感じさせてくれた。
あなたは、「本来の劣等感」の意味を知っているか
健全な劣等感とは、他者との比較の中で生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。(p.92 優越性の追求について より)
これはみんなに知ってほしい。人は誰しも違っている。だからこそ他人と比較することなんて、ただ時間をムダに過ごすだけなんだと痛感した。本当に他者と比較していいことなんてない。世の中には、常に上には上がいるのだから。
それに比べて「理想の自分との比較」は、とてもいい。同じ悔しさのようでまるで違う。理想の自分めがけて一直線に努力することができる。 そんな時こそ、1番人は輝いていんだとおもう。今の自分よりも前に進もうとすることこそ、価値があり、大切なのだと気づかせてくれた。
相手がどんなことをして来ようとも、自分のやるべきことを決めるのは自分。自由とは、他者から嫌われることである。あなたが誰かに嫌われているということは、自由を行使した証。つまり、自分の考えに従って行きていることに他ならないんですね。
おわりに
以前からずっと読みたいと思っていた、『嫌われる勇気』。今回本書を読んでみてやっぱり読んで良かったと思う。けれども、この本の内容をすぐ実生活で全て実践していくのは大変だと感じた。
けれど、20代という今、この本に出会えてよかった。この本には今まで遭遇することのなかった思考法がたくさん出てきた。『嫌われる勇気』。
あなたもぜひ読んでみてはいかがだろうか。